小田和正が一般女性である現在の夫人と結婚したのは、オフコースがブレイクへと向かう渦中にあった1978年のことだ。当時の音楽シーンでは、人気絶頂のミュージシャンが結婚や家庭生活を大々的に発表し、雑誌のグラビアやワイドショーの取材を受けることも珍しくなかった。しかし、小田は一貫してプライベートを公開しない姿勢を貫いた。
東北大学工学部建築学科から早稲田大学大学院へと進んだ理知的な背景を持つ彼にとって、音楽という作品と個人の私生活は明確に区別されるべきものだったのだろう。メディアによる過剰なプライバシー侵犯に対しても、時には厳しく抗議し、家族を守るための防波堤となってきた歴史がある。