なぜ今、この区別が重要なのか。それは医療の現場が「遺伝子治療」から「ゲノム医療」へと完全にシフトしているからだ。かつてのがん治療は、特定の異常な遺伝子をターゲットにする個別アプローチが主流だった。しかし2026年の現在、患者のがん細胞のゲノム全体を解析し、網羅的に変異を調べる「ゲノムプロファイリング検査」が標準化されている。
これにより、医師は単一の遺伝子だけでなく、ゲノム全体の相互作用を見渡した上で、最も効果的で副作用の少ない薬剤を選択できるようになった。点ではなく面で捉えるアプローチが、生存率の劇的な向上に貢献している。