根切りは無計画に地面を掘り進めるものではありません。施工不良を防ぐため、厳格な掘削工事手順に則って進められます。
まず敷地に「地縄張り」や「遣り方(やりかた)」を設置し、建物の位置・水平線・基礎天端の高さを正確に決定します。表層のすき取りを完了した後、バックホウ(油圧ショベル)を用いて設計図面通りの深さまで土を掻き出す「一次掘削」に着手します。重機による掘削は設計底面の数センチ手前で止め、最後はスコップなどによる手作業で底面を乱さないよう平坦に仕上げる「床付け(とこづけ)」を行います。
実務で最も神経を使うのが根切り深さ基準の遵守です。建築基準法施行令第38条において、建築物の基礎の根入れ深さは次のように義務付けられています。
- 布基礎:地面から基礎の底面まで24cm以上(かつ凍結深度以上)
- ベタ基礎:地面から立ち上がり部分の底面まで12cm以上(寒冷地では凍結深度を最優先)
とりわけ寒冷地では、冬期に地中の水分が凍結して土が隆起する「凍結深度」より深く根切りを行わなければ、基礎が破壊される危険があります。北海道や東北・甲信越地方などでは、自治体ごとに凍結深度が45cm〜100cm超と定められており、基礎自体のサイズに関わらず規定の深度まで掘削を到達させなければなりません。
また、現場で絶対に犯してはならないミスが「過掘り(掘りすぎ)」です。設計深度を超えて掘りすぎてしまった場合、掘った土を単に埋め戻しただけでは元の地耐力は得られません。過掘りが発生した箇所は、貧配合コンクリート(捨てコン)を増し打ちするか、砕石を投入してランマーで徹底的に転圧し直す必要が生じ、追加費用と工期遅延を招く原因となります。