根津美術館を象徴する至宝といえば、江戸中期の絵師・尾形光琳が描いた国宝『燕子花図屏風(かきつばたずびょうぶ)』です。金地に濃淡の群青と緑青のみでリズミカルにカキツバタを描いた六曲一双の大作は、日本美術史上の最高傑作のひとつに数えられます。
この国宝は作品保護の観点から常設展示はされておらず、毎年4月中旬から5月中旬にかけて開催される初夏の特別展に合わせて特別公開されるのが通例です。この時期は美術館の庭園内にある池でも本物のカキツバタが見頃を迎え、「名画と生きた花が共鳴する奇跡の季節」として世界中から美術愛好家が詰めかけます。
同館では年間に約6〜7回の企画展・特別展を開催しており、展示替え期間中は休館となります。訪問を計画する際は、事前に公式の展覧会スケジュールを確認することが不可欠です。