残された「最後の1匹」となったクロマグロが孤独に泳ぐ中、水族園チームは再建に向けた綿密な再生プロジェクトを始動させました。二度と同じ悲劇を繰り返さないため、水槽環境のあらゆる要素が再設計されました。
まず実施されたのが、アクリルガラス面への黄色い衝突防止テープの貼付です。マグロが水槽の境界を視認しやすくする工夫を施し、照明の明暗切り替えも魚を驚かせないよう緩やかな調光システムへと改良されました。また、水流の向きや強さを微調整し、遊泳をサポートする環境が整えられました。
2015年6月からは、まずマグロと同じサバ科のハガツオやスマをテスト投入。水質と遊泳環境の安全性を確認した上で、同年夏にクロマグロの幼魚(ヨコワ)を追加投入しました。新しく入った群れは生き残った大柄な先住マグロに誘導されるようにして隊列を組み始め、途絶えかけていた大水槽の旋回遊泳が奇跡的な復活を遂げたのです。