地域社会側も手をこまねいているわけではない。新宿区役所の吉住健一区長を中心に、行政は客引き防止条例の厳罰化やパトロール隊の増員を継続的に実施してきた。路上でのアナウンス放送や街頭モニターでの警告動画の流出など、認知向上に向けた啓発活動は過去最大規模に達している。
しかし、歌舞伎町商店街振興組合の結成メンバーや地元事業者が焦りを募らせる背景には、対策の「いたちごっこ」が存在する。客引き防止条例が路上の声かけを制限すればするほど、業者は私道やビル陰、アプリ上の密室空間へと活動の場を移動させる。自治体と商店街が築いた防壁を、悪質な手口はあっけなく潜り抜けていくのだ。