ここ1、2年で目に見えて増えたのが、退職世代とは異なる若いプレイヤーたちの姿だ。都心での店舗展開に見切りをつけ、初期投資を抑えられる郊外団地の空き区画に目をつけたベーカリー店主や、焙煎所兼カフェを開いたUターン組の若者たちがいる。
彼らは決して既存の空気を壊さない。隣の八百屋で仕入れた季節の果物をスイーツに使い、精肉店のコロッケを挟んだサンドイッチを出す。昭和の佇まいを残すアーケードの下で、古い常連客と新住民が自然に視線を交わす。洗練されすぎない、どこか温かみのある余白こそが、彼らにとって最大のブランディングになっている。