高橋成美のフィギュアスケート人生を語る上で欠かせないのが、世界トップクラスの実力を証明したパートナーたちとの歩みです。2012年の世界選手権でマービン・トランとペアを組み、日本ペア史上初となる銅メダルを獲得した瞬間は、日本フィギュア史に刻まれる金字塔となりました。しかし、トランの国籍問題(五輪出場に必要な日本国籍取得の障壁)により、惜しまれつつもペア解消を余儀なくされます。
その後、2013年にシングルから転向したばかりの木原龍一と新ペアを結成。短期間で急成長を遂げ、2014年ソチ冬季五輪への出場を果たしました。しかし2015年、電撃的なペア解消を発表します。一部で不仲説などの憶測が飛び交いましたが、日本スケート連盟の関係者証言や当時の記者会見で語られた真相は、極めてストイックなアスリート同士の「技術的適応と将来の成長曲線のズレ」でした。
木原選手が急激にパワーと体格を伸ばし、よりダイナミックなスケーティングを志向する中で、小柄で繊細な表現力を持ち味とする高橋との間で、目指すべき戦術やリフトのタイミングに微細なギャップが生じました。お互いの選手生命を最大限に尊重した末の「発展的解消」であり、現在も木原選手が三浦璃来選手と組む「りくりゅう」ペアの世界的快挙に対し、高橋は公の場で惜しみない賛辞と熱いエールを送り続けています。