高梨選手がメイクに目覚めた2016年当時、ネット掲示板やSNSでは「メイクする暇があったらジャンプの練習をしろ」「素朴な沙羅ちゃんが好きだったのに」といった心無い批判が一部で巻き起こりました。アスリートに対して「質素で求道者であれ」と求める日本社会特有の古い規範が露呈した瞬間でした。
しかし、本人の揺るぎない競技成績と、公の場で語った真摯な言葉が空気を一変させました。当時の特番インタビューにおいて彼女は次のように語っています。
「メイクをすることは、私にとって戦うためのスイッチ。オンとオフを切り替え、自分に自信を持ってスタート台に立つための大切な時間です」
この告白と、過酷な海外遠征の合間にも化粧品カウンターに通い美を研究し続ける努力が広く知られるにつれ、SNS上の反応は「努力でここまで綺麗になれるなんて素晴らしい」「自分を高めるためのメイクは最高にかっこいい」という称賛の声へと完全にシフトしました。現在では、単なるアスリートの枠を超え、自己プロデュースを完遂したロールモデルとして高く評価されています。