近年の気候変動は、日本の園芸・農業シーンに決定的な地殻変動をもたらした。農林水産省が定期的に発表する病害虫発生予察情報を見ても、害虫の活動開始時期の早期化と生息域の北上傾向は明らかだ。気温が平年よりわずか1〜2度高いだけで、害虫の世代交代サイクルは一気に加速する。
かつては初夏から警戒すれば十分だった地域でも、春先の定植直後から猛攻に晒されるケースが珍しくない。「いつも通りの時期に、いつも通りの手入れをする」という過去の成功体験は、もはや通用しないのだ。生長スピードを上回るペースで増殖する虫たちに対し、先手を打つリスク管理がすべての栽培者に求められている。