街が活気を呈する一方で、変化に伴う歪みや課題が全くないわけではない。急激な注目度の高まりによって駅周辺の地価は緩やかな上昇傾向を示しており、新しく進出してきたチェーン店やモダンなカフェと、昔ながらの個人商店との間で、まちづくりの方向性を巡る議論が続いている。
創業70年を迎える駅前の和菓子店店主は、「人が増えて賑やかになるのは大歓迎。だが、本宿ならではの落ち着いた空気感や、顔の見える商売の良さまで失われてしまっては意味がない」と本音を漏らす。新旧の店舗が単に競合するのではなく、地元の伝統イベントへの協賛やコラボ商品の開発などを通じて、いかに相乗効果を生み出せるかが、今後の持続可能な街作りの鍵を握っている。