スーパーや産直市で見かける甘唐辛子には、主に「万願寺とうがらし」と「伏見甘長(ふしみあまなが)とうがらし」という京都発祥の二大品種が存在します。それぞれの肉質と風味に合わせた調理法を選ぶことで、仕上がりのクオリティが格段に跳ね上がります。
万願寺とうがらし(京野菜の王様):
果肉が非常に肉厚で、肩の部分にくびれがある大型の品種です。ピーマンに近いジューシーさと強い甘みを持つため、万願寺とうがらしのレシピとして人気が高いのは「丸ごと網焼き」や「豚肉の肉巻き」です。じっくりとグリルやフライパンで蒸し焼きにすることで、果肉内部の水分が凝縮し、まるでフルーツのような甘みが引き出されます。
伏見甘長とうがらし(伝統の細長品種):
長さ15〜20cmほどになる細長い品種で、皮が非常に柔らかく青臭さが少ないのが特徴です。火の通りが早いため、さっと炒める料理や天ぷらに向いています。特に京都の伝統的なおばんざいである甘唐辛子とじゃこの炒め煮には、この伏見甘長が欠かせません。ちりめんじゃこの塩気とイノシン酸が、伏見甘長のグルタミン酸と合わさることで強烈な旨味の相乗効果を生み出します。