国税庁や自治体の窓口、さらに各種相談プラットフォーム(知恵袋やSNSなど)を検証すると、源泉徴収票を軽視したことによる痛ましい失敗事例が数多く報告されています。
都内のIT企業に勤務する30代男性のAさんは、過去の取材に対して次のように述懐しています。
「前年の源泉徴収票を基準にして『今年も年収650万円くらいだろう』と高をくくり、11月に8万円分のふるさと納税を行いました。ところが、会社の業績不振で冬のボーナスが大幅カットされ、12月に配布された源泉徴収票の支払金額は540万円。上限枠を3万円以上もオーバーしていたのです。超過した分は単なる割高な自治体への寄附となり、自己負担2,000円どころか約3万2,000円の自腹を切る羽目になりました」
また、税務相談の現場で極めて頻繁に見られるのが、「源泉徴収票の入力箇所間違い」による申告エラーです。
国税庁のウェブサービスである確定申告書等作成コーナーを利用する際、画面の指示に従って源泉徴収票の各項目を転記していきます。しかし、「支払金額」を入力すべき欄に誤って「給与所得控除後の金額」を入力してしまうケースが散見されます。これにより所得が著しく低く判定され、還付金額の計算が狂い、後日税務署から修正申告を求められるという二度手間が発生します。
現場の税務担当者からも「源泉徴収票をスマートフォンで撮影して自動読取(OCR)する機能を利用する人が増えているが、手ブレや影によって数字が誤認識されたまま確定ボタンを押してしまうケースが多い。最終画面での手動照合を怠らないでほしい」という生の声が寄せられています。