フレンチの前菜は、映画やテレビプログラムなどのポップカルチャーを通じても世界中に親しまれてきました。その象徴と言えるのが、20世紀最高の巨匠ポール・ボキューズが生み出した「黒トリュフのスープ」です。サクサクのパイ生地を割り開けると豊かな香りが広がるこの一皿は、温製前菜の最高峰として今なお語り継がれています。
また、ディズニー/ピクサー映画『レミーのおいしいレストラン』で一躍有名になった「ラタトゥイユ」も忘れられません。南仏の素朴な野菜煮込みが、ネズミの天才シェフ・レミーの手によって芸術的な前菜へと昇華されるクライマックスシーンは、多くの食通の心を揺さぶりました。
さらに近年では、Netflixの圧倒的人気ドキュメンタリー『シェフのテーブル』が料理界のトレンドを牽引しています。世界各地のトップシェフが自らの哲学を削り出し、まるで現代アートのようなアミューズやテリーヌを創り上げる舞台裏は、食への好奇心を強烈に刺激してくれます。