飲食店や職場で油汚れが服に飛んだ際、初期対応を誤るとシミの除去難易度は跳ね上がる。現場で多くの人がやってしまいがちな行動が、提供された布おしぼりでシミを力任せにゴシゴシと擦ることだ。これは絶対に避けていただきたい。
外食店のおしぼりには、衛生管理のために微量の塩素系漂白剤や除菌成分が含まれているケースがあり、衣類の地色を脱色させたり繊維を傷めたりするリスクが高い。加えて、濡れた布で擦ると、油分が繊維の奥深くへ押し込まれると同時に周囲へ広がり、取り返しのつかない巨大な「輪ジミ」を生み出す原因になる。
外出先で油染みを作ってしまった場合は、以下の「挟み込み吸着法」による応急処置を徹底したい。
まず、清潔なティッシュペーパーや紙ナプキンを数枚用意する。シミの表面に残っている油の固形分や余分な液体を、擦らずにそっと上から押さえて吸い取る。次に、化粧室などでティッシュの端に少量の水、可能であれば液体ハンドソープを極めて薄くつけ、シミの裏側に乾いたティッシュを当てた状態で、表側からトントンと軽く叩く(タッピング)。
この処置によって、油分を裏側の乾いたティッシュへと物理的に移動させることができる。最後に、水分を含んだ部分を乾いた紙で挟み込んでしっかり水分を吸い取っておけば、外出先でのダメージコントロールとしては十分だ。帰宅後の本格的なシミ抜きの成功率が劇的に跳ね上がる。