事件が引き金となり、停滞していた法整備は急速な展開を見せることとなった。同年にはストーカー規制法の大幅な改正案が可決・成立。これまで対象外であったSNS上での連続的なメッセージ送信やブログへの書き込みなどのつきまとい行為が、明確に規制対象として盛り込まれたのである。
法律は本来、悲劇が起きる前に機能しなければならない。事件後の法改正は、SNSを介したデジタルストーキングの危険性を国が正式に認めた歴史的転換点となった。警察組織内でもストーカー・DV対策の専門部署の連携が強化され、初期相談の段階での危険度評価ロジックが見直されるなど、捜査現場における意識の改革が強く促されたのだった。