園内を彩る主役は、季節ごとにその表情を劇的に変える。4月下旬から5月中旬にかけてはチューリップやシバザクラが鮮やかなグラデーションを描き、6月下旬から7月中旬には紫色のラベンダーが湖畔一面を包み込む。そして10月中旬から下旬、丸く愛らしいコキアが燃えるような深紅へと染まり、雪化粧を始めた富士の山頂と鮮烈なコントラストを織りなす。
定番のアングルから一歩踏み出し、現地でしか捉えられない特別な一枚を狙うなら、湖畔遊歩道の東端に位置する緩やかな傾斜地がベストだ。花壇の際までカメラ位置を思い切り下げ、広角レンズで見上げるように構えると、手前の花穂がダイナミックな前ボケとなり、画面中央奥にそびえる富士山に圧倒的な奥行きが生まれる。
光の演出も見逃せない。風が止む確率が高い早朝6時台から7時前後は、湖面に鏡のように山影が映り込む「逆さ富士」と花壇を同時に捉える黄金時間帯だ。夕刻には西日を受けた花々が黄金色の輪郭を帯び、日中とはまったく異なるドラマチックな陰影を魅せてくれる。