山中湖をぐるりと一周する名物コースは、平坦な湖畔ロードと急激なアップダウンが交錯するタフな設定で知られる。スタート直後の爽やかな湖面の景色に心を取られていると、中盤以降に突如現れる「激坂」がランナーの脚力を容赦なく削り取る。標高差による呼吸の苦しさも加わり、ペース配分を誤れば後半での失速は免れない。
だが、その苦しみを吹き飛ばすのが、コースの要所で視界いっぱいに広がる富士山の圧倒的な雄姿だ。残雪を戴く富士と湖面のコントラストは、辛さを忘れさせるほどの感動をもたらす。ベテランランナーが口を揃えて「何度走っても飽きない」と語る理由がここにある。