国土地理院が発行する2万5千分の1地形図を開くと、富士山の八合目付近から上には県境を示す破線が描かれていません。公的な地図上、山頂部はどの自治体にも属さない「境界未定地」として扱われています。
さらに驚くべきことに、標高約3,360メートル以上の「八合目以上」の土地は、特定の神社が所有する私有地です。その所有者こそ、静岡県富士宮市に本宮を置く富士山本宮浅間大社(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ)です。
山頂一帯は同神社の「奥宮(おくみや)」の境内地となっており、約385万平方メートル(東京ドーム約82個分)もの広大なエリアが私有地として法的に認められています。ただし、登山道や旧富士山測候所の敷地など一部の公的インフラ用地は国有地として除外されています。