改札を抜けると、空気感が一変する。長年「長者町地下街」として親しまれ、今やアートと呑み屋文化の発信地となった伏見地下街だ。どこか懐かしい昭和の面影を残すアーケードには、立ち飲みスタンド、自家焙煎コーヒーの専門店、手打ちうどんの名店がギッシリと立ち並ぶ。
戦後の高度経済成長期に繊維問屋街の地下として誕生したこの場所は、近年クリエイターや若い起業家たちの参入によって奇跡的な再興を果たした。夕方5時を過ぎると、スーツ姿の会社員と観光客が入り交じり、名物のせんべろセットやクラフトビールで乾杯する光景が広がる。洗練された地上タワービル群の足元に広がるこのディープな空間こそ、伏見の真の魅力かもしれない。