宿儺が伏黒に対して払ってきた異常なまでの執着。それは物語初期の少年院での戦いから伏線として張り巡らされていた。宿儺にとって伏黒は、己の完全復活を果たすための「器」であり、同時に「不可侵の盾」を破るための道具に過ぎなかった。
津美紀の死という絶望のどん底に叩き落とされた瞬間、伏黒の魂は宿儺によって沈められた。己の肉体でありながら、自身の術式と魔虚羅を使い五条悟という師を討ち果たす凄惨な光景を、伏黒は自身の内面から見せつけられることになる。
しかし、暗黒の深淵に沈みかけた彼の魂は死んでいなかった。呪詛の嵐が吹き荒れる中、自己の存在価値を見つめ直し、再び自らの足で立ち上がろうとする葛藤のドラマこそが、彼の物語における最大のクライマックスであったと言える。