「らるきい」の名を全国区に押し上げた最大の原動力は、間違いなく名物パスタ「ぺぺたま」です。一見するとシンプルな卵とじパスタのように見えますが、フォークを差し入れた瞬間に立ち上る強烈なガーリックオイルの香りと、だしの深いコクが食欲を一気に刺激します。
オリーブオイルにしっかりと移されたニンニクの旨味と唐辛子の辛味を、絶妙な火入れによって半熟スクランブル状に仕上げた溶き卵が優しく包み込みます。カルボナーラのように重すぎず、一般的なペペロンチーノよりも格段に濃厚でジューシーなソースが、アルデンテのパスタ麺一本一本に絡みつきます。この「ジャンクさと繊細さの奇跡的な両立」こそが、数十年愛され続ける理由です。
この味を語る上で欠かせないのが、福岡ソフトバンクホークス取締役会長である王貞治氏との深い絆です。王氏は長年同店の熱烈なファンとして知られていますが、かつて胃の手術を受けて食欲が落ちていた療養期間中、「らるきいのぺぺたまなら食べられる」と特別に出前を依頼したというエピソードは、ファンの間で伝説として語り継がれています。身体が弱っているときでも胃袋が求める優しい旨味と滋養——世界の王貞治氏のコンディションを支えた一杯としての物語が、料理の説得力をさらに強固なものにしています。