服部桜の名が一躍全国区のニュースとなったのが、2016年9月場所(秋場所)3日目の取組でした。錦翁との一番において、立ち合い直後に相手に触れることすら恐れるかのように、自ら前方に両手をついて倒れ込む動作を3度連続で繰り返したのです。この露骨な服部桜 故意のつき手は、日本相撲協会の審判部から極めて悪質な服部桜 敗退行為とみなされ、師匠とともに厳重注意処分を受ける事態となりました。
当時、相撲に対する恐怖心やパニック状態が引き起こしたとされるこの前代未聞のアクシデントは、ワイドショーやネットニュースでも大々的に報じられました。しかし、この危機において彼を見捨てなかったのが、所属する式秀部屋の師匠である式秀親方(元幕内・北桜)でした。
「明るく、楽しく、激しく」をモットーに掲げる式秀親方は、怒号で叱責するのではなく、服部桜のメンタル面のケアと基礎運動の反復を徹底的にサポート。「土俵から逃げるな」「相撲を嫌いになるな」と根気強く式秀親方の指導を続けました。親方の愛情深いアプローチにより、服部桜は再び前を向いて土俵に立ち、二度と故意のつき手を行うことなく、真っ向からぶつかって跳ね返される泥臭い相撲を取り続ける道を選びました。