インターネット上の家庭用レシピ記事では「手に入らないホーリーバジルの代わりにスイートバジルを使えば全く同じ味になる」という解説が定着していますが、これには調和上の盲点があります。
スイートバジルは熱に弱く、加熱しすぎると香気成分のリナロールが揮発して黒く変色し、特有の青臭さが前面に出てしまいます。対照的にホーリーバジルに含まれるオイゲノールやカリオフィレンは熱耐性が高く、高温の油で炒めることで初めて本領を発揮します。
もし家庭でスイートバジルを使って本格派の味に近づけたい場合は、「火を完全に止めてから最後に余熱でさっと和える」ことが重要です。さらに、粗挽き黒胡椒や生唐辛子を少量足すことで、スイートバジルに不足しているピリッとしたスパイシーな清涼感を補う技術が求められます。