白く熟したニキビのように見えるため、保護者が指先や消毒した針などでプチッと潰し、中の膿を押し出そうとしてしまう事例が後を絶ちません。しかし、家庭内でフィステルを潰したり膿を出したりする行為は絶対に厳禁です。
口腔内には数百億個もの常在菌が存在しています。無菌状態ではない環境で人為的に傷口を広げると、そこから別の病原菌が組織の深部へ侵入する「二次感染(混合感染)」を引き起こす危険性が跳ね上がります。傷口から細菌が血流に乗って蜂窩織炎(ほうかしきえん)と呼ばれる顔全体の激しい腫れや高熱を招いたり、最悪の場合は全身の重篤な感染症に発展するリスクすら潜んでいます。
表面の膿をいくら絞り出したところで、病気の発生源である「歯の根の中の細菌」には1ミリも届きません。潰す行為はいたずらに子どもに恐怖と苦痛を与え、症状を悪化させるだけの有害な行為であると認識しておく必要があります。