顧客にとって不満の種になりがちな代車ですが、店舗側が意図して劣悪な車両を押し付けているわけではありません。整備工場やディーラーの代車評判を左右するこの問題の背景には、自動車業界特有のコスト構造とリスク管理が存在します。
まず代車がボロい理由の筆頭は、代車専用に新車を用意することが店舗経営において大きな負担となる点です。代車は基本的に無償で貸し出されるサービス車両であるため、直接的な収益を生みません。そのため、過去に顧客から下取りした過走行車や、自社で廃車寸前まで使い倒した営業車を再整備して代車に充当するケースが一般的です。
また、貸出先で不慣れなドライバーが擦ったり事故を起こしたりするリスクを考慮すると、高価な新型車よりも「多少傷がついても損害が少ない型落ち車両」を回すほうが、経営上のリスクヘッジとして理にかなっています。
車体に目立つ店名ステッカーを貼るのも、単なる宣伝目的だけではありません。万が一の放置駐車や犯罪利用、乗り逃げなどを未然に防ぐ防犯上の識別策としての側面を併せ持っています。
ここで知っておくべきなのが、レンタカーと代車の違いです。正規ディーラーの一部では自社保有車が足りない場合に有償扱いで提携先からレンタカーを手配しますが、一般的な街の整備工場では無償の「自家用白ナンバー代車」が主流です。代車とわナンバーの見分け方はナンバープレートの平仮名を見るのが確実で、「わ」や「れ」であればレンタカー会社から正規手配された比較的新しい車両、「一般的な5ナンバーや50ナンバーの白・黄プレート」であれば店舗が保有する古い自社代車である可能性が高くなります。