かつて昭和の時代、深作欣二監督らが手がけた「実録ヤクザ映画」は、義理と人情、そして生々しい抗争の熱気を通じて大衆を熱狂させた。当時のスクリーンに映し出された男たちの暴力と野望は、日本社会のアンダーグラウンドを象徴するポップカルチャーでもあった。
しかし時代は移り変わり、ハリウッドや海外メディアが描く日本の裏社会像は大きな変容を遂げている。マイケル・マン監督らが製作に参加したドラマ『TOKYO VICE』は、1990年代後半から2000年代にかけての警察、新聞記者、そして暴力団が織りなす危うい力学を冷徹なリアリズムで描き出し、世界的なヒットを記録した。そこには美化された任侠ではなく、社会の構造的矛盾と癒着した実体としての暴力団が克明に刻まれている。