「熱が下がらないから、家にあった別の解熱鎮痛剤を追加で飲んだ」――こうした安易な重ね飲みに対して、感染症専門医や日本医師会はかねてより強い警鐘を鳴らしてきた。医療専門誌の日経メディカルなどでも、一般用医薬品の多剤併用による有害事象は度々議論の的となっている。
最大のリスクは、アセトアミノフェンの重複摂取だ。頭痛薬や生理痛薬、解熱薬の多くに同成分が含まれており、知らずに併用すると1日の安全許容量を容易に突破してしまう。過剰摂取は深刻な急性肝不全を招く恐れがある。
さらに、市販の鼻炎スプレーや睡眠改善薬、抗不安薬との併用も危険極まりない。中枢神経抑制作用が相乗的に強まり、呼吸抑制や意識障害といった重篤な事態を引き起こしかねないのだ。「市販薬だから安心」という思い込みは、一瞬で命取りになる。