都内大手進学予備校で理科指導を担当するベテラン講師陣への取材によると、単元「細胞のつくり中学理科」および「生物基礎テスト対策まとめ」において、毎年受講生の得点を大きく左右する罠が2点存在します。
「定期テストで最も点数を落としやすいのは、タマネギの表皮細胞を用いた顕微鏡観察の実験設問です。授業で『植物には葉緑体がある』と強調されすぎた結果、多くの生徒がタマネギの根や内側の鱗片葉にも葉緑体が存在すると勘違いしてしまいます。日光が当たらない地下組織には葉緑体は発達しません。この盲点を突いた正誤問題での誤答率は、初学者クラスで50%を超えることも珍しくありません」(大手予備校理科科主任講師)
もう一つの落とし穴が、核を可視化するための染色液に関する混同です。動物の頬の内側の粘膜細胞や植物の細胞を観察する際、細胞内の核を明瞭に染め出す試薬として酢酸オルセイン染色液や酢酸カーミン溶液が使用されます。赤紫色から赤色に染まるのは「核」そのものであり、細胞膜や細胞質全体が染まるわけではありません。記述欄に「細胞が赤く染まった」と大雑把に書き、減点対象になるケースが全国の採点現場で後を絶ちません。
SNSや学習相談コミュニティを検証しても、「動物細胞には細胞壁がないから形が丸っぽく、植物は四角いと覚えたのに、テストで組織の電子顕微鏡写真を出されて見分けがつかなかった」という嘆きが多数投稿されています。外見の幾何学的な形状だけに頼るのではなく、壁の厚みや内部小器官の有無で論理的に見分ける力が求められています。