物理的な吸引力が強いことは事実ですが、それでも人体に危険が及ばないよう、便器には厳密な安全設計が組み込まれています。
最大のポイントは、「便座とお尻が完全に密閉(真空吸着)されない構造」になっている点です。旅客機の便座の裏側を観察すると、四隅に数ミリの厚みを持つ突起(ゴムクッション・スペーサー)が必ず配置されています。この突起によって便座と便器本体の間に常にすき間が確保されており、万が一座ったまま流したとしても、空気はそのすき間から勢いよく流入します。
密閉状態(真空パックのような状態)が物理的に成立しないため、人体を便器内に引きずり込んだり、腸や内臓を体外へ引きずり出したりするような吸引圧は発生しません。また、便器底面の排出口には異物混入を防ぐトラップや小型バルブが備わっており、人体の一部が深くまで吸い込まれる構造にもなっていません。