廃盤となった現在もなお、このバラが語り継がれる理由は、唯一無二と称される圧倒的な審美性と香りにあります。赤みを帯びたダークブロンズの新芽から展開し、開花とともに見せるマンダリンオレンジからアプリコットイエローへのグラデーションは、他のオレンジ系品種にはない気品とドラマ性を備えています。
特筆すべきは、洋梨、ブドウ、シトラスが複雑に調和した濃厚なフルーツ系の強香です。国際的な香りのコンテストでも数々の栄冠を手にしており、一輪咲くだけでテラスや庭全体に芳醇なアロマが満ち渡る力を持っています。
また、日本の春(5月中旬)から晩秋(11月下旬〜12月初旬)まで安定して花を咲かせる四季咲き性の高さも大きな魅力です。真夏の高温期には花弁数がやや減少し小ぶりになるものの、朝晩の気温が下がる秋になると、花色は一段と深みを増し、息をのむような濃厚なオレンジ色に染め上がります。