デニムとジーンズの最も根源的な違いは、「素材(生地)」か「完成した衣服(製品)」かという点に集約されます。端的に言えば、デニムは生地の名前であり、ジーンズはデニム生地を用いて作られたパンツを指します。したがって、「デニムのジーンズ」という表現は文法的に正しく成立しますが、「ジーンズのデニム」という表現は誤りとなります。
服飾史の記録によると、デニム生地の特徴と語源は、フランス南部の織物都市ニーム(Nîmes)に由来します。17世紀頃、同地で生産されていた伝統的な綾織りの絹・ウール混紡布「セルジュ・ドゥ・ニーム(serge de Nîmes=ニームの綾織り)」がイギリスへ輸出される過程で短縮され、「デ・ニム(de Nîmes)」から「デニム(Denim)」へと変化したと伝えられています。
現在一般的に定義されるデニム生地とは、タテ糸(経糸)にインディゴ染色された糸、ヨコ糸(緯糸)に未染色の晒し糸(白糸)を用いた綾織り(ツイル織物)を指します。ジーンズの裏側が白っぽく見えるのは、この綾織りの構造によって表面に色糸、裏面に白いヨコ糸が多く露出するためです。