導入検討者が最も嫌悪感を抱くのが、衛生面と生態系の変化です。「防草シートを敷くと害虫が増える」という噂は単なる都市伝説ではありません。防草シートで虫がわく真相は、シートによって作り出される微小気候(マイクロクライメイト)にあります。
日光を遮断されたシート下の地面は、直射日光による乾燥から守られ、一定の湿度が維持されます。この「暗くて適度に湿り気があり、天敵の鳥から身を隠せる空間」は、ダンゴムシ、ワラジムシ、ヤスデ、クモ、そしてそれらを捕食するムカデにとってまさに理想郷です。シート自体が虫を発生させるわけではありませんが、周辺一帯の不快害虫を引き寄せて集約させる巨大な隠れ家として機能してしまうのが構造的な問題点です。
また、防草シートのカビや湿気の原因は、製品の透水性能と下地土壌の透水勾配に直結しています。ホームセンター等で平米あたり100円前後で乱売されているポリエチレン製の織布シートは、目詰まりを起こしやすく、十分な透水・通気能力を持ちません。雨水がシート上に滞留したり、地面との間に閉じ込められたりすることで、土壌がヘドロ化し、嫌気性菌が繁殖して白カビや独特の腐敗臭を放つケースが頻発しています。特に日当たりの悪い建物の北側や水はけの悪い粘土質の敷地では、敷設前に徹底した土壌改良を行わない限り、衛生環境の悪化は避けられません。