犯罪者の手記印税を阻む「サムの息子法」とは?違憲判決の教訓と日本の壁

犯罪者の手記印税を阻む「サムの息子法」とは?違憲判決の教訓と日本の壁

犯罪者の手記印税を阻む「サムの息子法」とは?違憲判決の教訓と日本の壁についての疑問解決ガイドをお届けします。

日本にサムの息子法が存在しない現状において、加害者の手記印税に対抗する唯一の実効策は、民法709条に基づく不法行為の損害賠償請求権を行使した「債権差し押さえ」です。

被害者側が民事裁判で勝訴判決(または和解)を得ていれば、加害者が将来受け取るべき印税請求権や、入金された銀行預金を強制執行によって差し押さえることが可能です。実際に過去の民事訴訟でも、手記の出版元に対して印税の支払先を被害者側へ変更させる手続きが取られたケースが存在します。

しかし、この手法には実務上の深刻な課題が残されています。

・民事の判決があっても、出版社と加害者が結んだ契約金額や入金時期を被害者側が正確に把握するのは困難
・損害賠償請求権には消滅時効が存在し、事件から長期間が経過した後の出版に対応しきれない場合がある
・加害者が第三者名義や親族の口座へ印税を迂回させた場合、財産の追跡が極めて難航する

加害者の財産隠しを防ぎ、被害者が泣き寝入りしないための情報開示制度や、判決に基づく債権回収の実効性を高める法改正の議論が今なお続けられています。

中村 さくら
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中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。