飯坂温泉の旧堀切邸が人気の理由とは?十間蔵や足湯の見どころを徹底解説

飯坂温泉の旧堀切邸が人気の理由とは?十間蔵や足湯の見どころを徹底解説

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旧堀切邸の深層を理解する上で欠かせないのが、この地を拠点に繁栄を極めた堀切家の歴史と、地域社会に対する多大な貢献です。堀切家は江戸時代初期の16世紀末から飯坂に居を構えた豪農であり、農業経営のみならず製糸業や金融など多角的な事業を展開して財を成しました。

敷地内でひときわ重厚な存在感を放つのが、1775年(安永4年)に建てられた「十間蔵(じゅっけんぐら)」です。間口が十間(約18メートル)あることからその名が付けられたこの大土蔵は、福島県内に現存する土蔵の中で最古の建築物として極めて高い学術的・歴史的価値を有しています。天明・天保の大飢饉の際には、この蔵に蓄えられた莫大な米や資金が近隣の飢えた領民へと分配され、多くの命を救ったという記録が残されています。

近代に入ると、堀切家からは日本の近代政治史に名を刻む傑出した指導者が輩出されました。その代表格が、衆議院議長や駐イタリア大使を務めた堀切善兵衛氏、そして関東大震災後の帝都復興に辣腕を振るい、東京市長や内務大臣を歴任した善次郎氏です。邸内の主屋や新蔵には、彼らの輝かしい足跡や当時の国際情勢を物語る貴重な資料、書画などが展示されており、近現代日本の歩みを肌で感じることができます。

橋本 菜々子
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橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。