近年ネット上のインテリアコミュニティで急速に注目を集めているのが「ファブリックレザー」と呼ばれる新素材です。レザーテックスなどの商標名でも知られるこの生地に対し、SNS上では「本革と何が違うのか」「数年でボロボロに剥がれるのではないか」といった疑問の声が散見されます。
結論から言えば、ファブリックレザーは「布」を基材とした特殊加工素材であり、合成皮革(PU・PVC)の弱点である表面剥離(加水分解)リスクを大幅に低減した生地です。
一般的なポリウレタン合皮は、空気中の湿気によって5〜7年程度で表面樹脂が加水分解を起こし、ウロコ状にポロポロと剥がれ落ちる現象が避けられません。これに対し、ファブリックレザーは超極細ポリエステル繊維の不織布を高密度に絡み合わせ、通気性を持つ特殊なウレタン浸透層を形成しています。そのため、本革のような重厚なシボ感とヴィンテージ感漂う色ムラを再現しながら、合皮特有のムレや経年剥がれを構造レベルで克服しています。
ただし、「傷が絶対につかない」という魔法の素材ではありません。鋭利な突起物による引っ掻き傷や、油分・整髪料の長期付着による局所的な変色は起こり得るため、本革同様に直射日光や過度な熱源を避ける配慮は依然として求められます。