視覚的なバリアを取り除き、多様な色の捉え方に対応するための産業界の動きも目覚ましい。従来、主に色覚交代(色弱)への対応を中心として発展してきたカラーユニバーサルデザイン(CUD)業界だが、昨今は自閉スペクトラム症やADHDの当事者が感じる視覚過敏にも配慮したデザイン基盤の構築に乗り出している。強い原色同士の組み合わせを避け、彩度を抑えた「目に優しいカラーパレット」が、公共交通機関の掲示物や学校の教科書に導入されつつある。
同時に、テクノロジーの側面から支援を加速させているのがデジタルヘルスケア産業だ。スマートフォンのカメラ越しに見る現実世界の色彩やコントラストを、個人の視覚特性に合わせてリアルタイムで調整するAR(拡張現実)アプリや、ディスプレイスクリーンから特定の波長を削減するAIソフトウェアの開発が相次いでいる。こうしたイノベーションは、当事者のデスクワークや学習におけるストレスを劇的に低減するソリューションとして期待を集めている。