ネット検索の世界では、本人が公表していないにもかかわらず、「〇〇の子どもはダウン症」「有名俳優の長男は自閉症で極秘入院」といった無根拠なデマや中傷が後を絶ちません。大物俳優夫婦や人気アイドル出身タレントの名前が検索サジェストに浮上し、まとめサイト等でまことしやかに語られる構図は、長年放置されてきた深刻なネットの病理です。
なぜこうした悪質な噂が捏造され、拡散するのでしょうか。その背景には、「過剰なプライバシー防衛への穿った見方」と「芸能人特有のお受験事情」があります。
多くの一流芸能人は、子どもの防犯や将来の選択肢を守るため、顔写真はもちろん、通っている学校名や日常のエピソードを徹底して非公開にします。ところが、ネット上の悪意あるユーザーや一部の不健全なメディアは、「メディアに出さないのは後ろめたい事情があるからだ」「有名私立小の合格者名簿に名前がないのは障害があるからではないか」という短絡的な推測を結びつけ、虚偽のストーリーを仕立て上げます。
当事者が勇気を持って公表した事実と、無関係な著名人に浴びせられる下世話な憶測は、明確に区別されなければなりません。確証のないネットの噂を拡散する行為は、名誉毀損に該当するだけでなく、発達障害そのものを「隠すべき恥ずかしい事象」であるかのように扱う差別意識の裏返しでもあります。メディアリテラシーが問われる今、読者一人ひとりが一次ソースのないゴシップを拒絶する姿勢が求められます。