飼い主が良かれと思って与えた果物の「部位」が、外科手術を要する重大事故につながるケースがあります。ネット上では「みかんはビタミン補給に良い」と紹介されることがありますが、柑橘類を扱う際は構造的なリスクを正しく理解しなければなりません。
柑橘類の果皮に含まれる「リモネン」と「ソラレン」
みかんやオレンジ、グレープフルーツの果肉自体は少量であれば毒性はありません。しかし、外皮や白い筋、種には犬にとって消化不良の原因となる「ペクチン」の密集や、皮膚炎・消化器刺激を引き起こす「リモネン」「ソラレン」が含まれています。みかんを与える際は、外皮を完全に剥き、薄皮(房の皮)も取り除いた果肉のみを1〜2房程度にとどめる必要があります。
果物の「種・芯・ヘタ」による消化管閉塞事故
桃、プラム、さくらんぼ、りんごなどの「硬い種」や「芯」は、犬の胃酸では一切溶けません。特に体重5kg未満の超小型犬の場合、サクランボや梅の種1個でも腸に詰まり、腸閉塞(イレウス)を起こして緊急開腹手術が必要になる現場事故が多発しています。さらに、バラ科植物(りんご、桃、杏、さくらんぼ)の種子には微量のシアン化合物(青酸配糖体)が含まれており、噛み砕いて摂取すると中毒を起こすリスクがあります。