新劇場版シリーズのタイトルには、日本の伝統芸能である雅楽や能楽の構成概念「序・破・急」が採用されています。導入の「序」、展開と変化をもたらす「破」、そしてクライマックスへの急展開を告げる「急(Q)」という流れを踏襲しています。
しかし、完結編となった第4作のタイトルは『急』の次に来るはずの概念ではなく、『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』という独自の表記となりました。このタイトルには複数の重要な仕掛けが存在します。
まず、シリーズタイトルが『ヱヴァンゲリヲン』からTV版と同じ『エヴァンゲリオン』の仮名表記へと戻り、頭に「シン」が付与されました。この「シン」には「新」「真」「神」「進」など多層的な意味が込められています。
さらに注目すべきは、末尾に添えられた音楽記号の反復記号(リピートマーク「𝄇」)です。楽譜においては「始めに戻る」あるいは「繰り返しの終わり」を意味するこの記号は、ループし続けた物語の終焉と、新たな人生への旅立ちを同時に象徴するギミックとしてファンの間で大きな話題を呼びました。