宮村優子というキャリアを語る上で、絶対に避けて通れない作品がある。それが総監督・庵野秀明が手掛けた歴史的傑作『新世紀エヴァンゲリオン』だ。自尊心が高く、同時に深い孤独を抱えるヒロイン・惣流・アスカ・ラングレー。この複雑極まりないキャラクターに命を吹き込む作業は、当時の彼女にとって精神を削るような苦闘の連続だったという。
「当時は本当にアスカと自分が同化してしまい、スタジオに行くのが怖くなるほどの圧迫感がありました。庵野監督からの指導は、単なる演技の指示ではなく、自分の内面を曝け出さざるを得ないような、精神の深部に迫るものでしたから」。劇場版の完結に至るまで、アスカという存在と向き合い続けた歳月。制作を手掛けた株式会社カラーによる新劇場版シリーズの完結を迎えた時、ようやく彼女の中で一つの大きな円環が閉じたという。「最後まで演じ切れたことは、私の人生において誇りであり、代えがたい宝物です」と振り返る。