トレンドの発信地として君臨する聖水洞(ソンスドン)の空気は刺激的だ。かつての靴工場や町工場が立ち並んでいたレンガ造りの街並みは、いまや最先端のショールームとギャラリーがひしめく実験場へと変貌を遂げた。インダストリアルな無骨さと、計算され尽くしたミニマリズムの融合。この街で生まれるプロダクトデザインは、どこかストリートの熱気を帯びている。
一方、坂道の多い漢南洞(ハンナムドン)へと足を伸ばせば、より洗練されたハイエンドな空気が漂う。大使館や高級住宅が点在するこのエリアでは、静けさと上質さを追求したデザインスタジオが独自の存在感を放つ。金属やアクリル、ウッドなどの異素材を大胆に組み合わせたモダンなアイテム群は、感度の高い大人の審美眼にも耐えうる完成度を誇る。
対照的なふたつの街。だが共通しているのは、都市の呼吸をそのままプロダクトに落とし込むスピード感だ。ストリートカルチャーの鼓動が、そのままテーブルウェアや照明の造形美へと昇華されている。