居住地としてのポテンシャルを測る上で、避けて通れないのが生活コストと交通利便性の問題です。二子玉川の居住満足度を押し下げがちな要因として、突出した家賃水準と通勤ラッシュの過酷さが挙げられます。
まず二子玉川家賃相場ですが、単身者向けの1K・1Rでも月額10万円〜11.5万円前後、ファミリー向けの2LDK〜3LDKに至っては28万円〜45万円がボリュームゾーンとなっています。これは世田谷区全体の平均相場を15〜20%ほど上回り、渋谷区や港区の周縁部に匹敵する数字です。さらに、駅直結の高層タワーマンションでは管理費や修繕積立金、駐車場代を含めると維持費が跳ね上がるため、世帯年収1,500万円以上の基盤がなければ長期的な居住維持は容易ではありません。
もうひとつの関門が、首都圏でも屈指の混雑路線として知られる田園都市線混雑問題です。朝のラッシュピーク時(7時30分〜8時30分)の上り方面は、二子玉川に到着する時点で神奈川方面からの乗客によってすでに満員状態に達しています。渋谷駅までの所要時間は急行で約11分から15分程度と至近ですが、遅延が慢性化しやすく、車内の圧迫感は精神的なストレス要因となり得ます。
ただし、この通勤問題には有効な回避策も存在します。二子玉川は東急大井町線の始発駅でもあるため、目黒線乗り換えで都心方面(溜池山王・大手町方面)へ向かうルートを選べば、並べば座って通勤することが可能です。通勤時間帯を前後にずらすフレックスタイム制やリモートワークを柔軟に活用できる職種かどうかが、二子玉川での生活クオリティを左右する重要な分岐点となります。