2000年代を迎えると、この文化現象はさらなる進化を遂げた。象徴的だったのが、Jamais Jamais氏による『血液型自分の説明書』シリーズのミリオンセラー現象だ。自らの取扱説明書を読むようなユーモラスな文体は、特に若年層の自己承認欲求と見事に合致した。
さらにテレビメディアでは、特別ドラマ『血液型別 オンナが結婚する方法♪』が放送されるなど、エンターテインメントとしての消費はピークに達する。デジタルメディア・ライフスタイル出版の現場でも、血液型特集はキラーコンテンツとして不動の地位を築いた。
だが当然、科学界からの反論も相次いだ。日本心理学会をはじめとする学術機関や研究者たちは、血液型と性格特性の間に有意な相関は見られないとする実証研究を次々と発表。「バーナム効果」や自己成就予言による思い込みに過ぎないと警鐘を鳴らし続けた。この科学的批判と大衆的熱狂のせめぎ合いこそが、日本における血液型談義をより複雑で魅力的なカルチャーへと押し上げたのだ。