二瓶さんの役者人生における最大の転機となったのが、1966年放送の『ウルトラマン』における科学特捜隊・イデ隊員役への抜擢でした。しかし、このキャスティングは当初予定されていたものではなく、クランクイン直前の緊急交代劇によるものでした。
元々イデ隊員役には別の俳優(石川進氏)が決まっており、すでにポスター撮影や一部のテスト撮影も進行していました。ところがスケジュールの都合などにより急遽降板が決定。撮影開始まで数日という切迫した状況の中、白羽の矢が立ったのが二瓶さんでした。
衣装のサイズ合わせもままならないまま現場へ飛び込んだ二瓶さんは、当初「完成された座組に後から入るプレッシャー」を強く感じていたと後年のインタビューで述懐しています。しかし、ムードメーカーとしての才能を遺憾なく発揮し、小林昭二さん(ムラマツキャップ役)や黒部進さん(ハヤタ隊員役)らと強固な信頼関係を瞬く間に構築。天才肌の科学者でありながらどこかお調子者という、イデ隊員の唯一無二の造形を見事に完成させました。