記憶に新しい大ヒット作『ラーゲリより愛を込めて』でも、彼の肉体とビジュアルの変貌は観客の胸を強く打った。シベリアの強制収容所(ラーゲリ)という絶望的な環境下で希望を捨てずに生きた山本幡男役を演じるにあたり、彼は過酷な減量と極限状態のビジュアル再現に挑んだ。その真摯な姿勢が、作品全体に言葉にできないほどのリアリティと深い感動を与えたことは間違いない。
極限の状況を描く重厚なヒューマンドラマにおいて、演者の容姿はセリフ以上に多くを語る。髪を削ぎ落とし、身を削って役になりきる彼のスタイルは、芸能界でも随一と称される。観客の心を一瞬で物語の世界へ引きずり込む力は、外見上の妥協を一切許さない徹底したプロ意識から生まれている。