なぜ西野亮廣は、プロ声優ではなく俳優や芸人をメインキャストに据えたのか。この問いに対して、西野は公開当時の特番インタビューや自著『えんとつ町のプペル 公式設定資料集』の中で繰り返し「声優の技術よりも、その人の持つ“声の人生”を重視した」と語っている。具体的には、窪田正孝の声について「彼の声には、これまで演じてきた役柄の重みが乗っている。プペルが背負う“差別と孤独”を表現するには、技術だけでは足りない」と説明した。
芦田愛菜に関しては、オーディションではなく西野の直接オファーだったことが公式発表で明かされている。当時、芦田は子役から高校生俳優への移行期にあり、メディア露出をセーブしていた時期だった。それでも西野が「ルビッチの純粋さと芯の強さは、芦田愛菜の声でしか表現できない」と確信し、オファーを出したという。芦田は後にインタビューで「プペルとルビッチの関係性に共感した。声だけで感情を伝える難しさと向き合えた」と振り返っている。
藤森慎吾の起用は、ネット上で最も驚きを持って迎えられた。お笑い芸人としてのイメージが強い藤森が、シリアスな場面も多いスコップ役を務めることに対し、公開前は「ミスキャストでは」という声もあった。しかし蓋を開けてみると、藤森の飄々とした語り口がスコップの「陽気さの裏にある寂しさ」を見事に表現し、公開後は「藤森慎吾の声が想像以上にハマっていた」という評価がSNSで急増した。藤森自身も「プペルは自分の人生を変えた作品」と公言しており、2026年現在も自身のラジオやYouTubeでたびたび当時の思い出を語っている。