バスケットボールを題材にした作品に登場するアスリートの多くは、超人的な強さや一貫した精神力を描かれがちだ。しかし三井は違う。彼は己の弱さに葛藤し、過去の後悔に苛まれ、体力の限界に打ちのめされる。その圧倒的な人間臭さこそが、彼が老若男女問わず愛される最大の理由だ。
完全無欠ではないからこそ、彼がコートで見せる一瞬の輝きに誰もが感情移入する。仲間である赤木剛憲や流川楓、桜木花道、宮城リョータとの歪でありながら固い信頼関係も、彼の存在をより引き立てている。挫折を知る男が放つシュートは、現実世界で悩みを抱える人々への強い後押しとなっている。