不動産広告や設計図面における屋根の有無と見分け方は、極めて明快です。原則として、「建物からせり出しており、上部に屋根(ひさしや上階の床)がある空間」がベランダ、「建物からせり出しており、上部に屋根がない空間」がバルコニーと定義されます。いずれも基本的には「2階以上」に設置された張り出し部分を指します。
語源をたどると、ベランダ(veranda)はポルトガル語やサンスクリット語の「外廊下」を意味する言葉に由来し、日本の伝統建築でいう「縁側」や「下屋(げや)の下の濡れ縁」に近い性質を持ちます。雨風をしのぎながら外気を取り入れる屋根付きの半野外空間として発展してきました。一方のバルコニー(balcony)はイタリア語の「balcone(劇場の桟敷席・突き出た足場)」に由来し、中世ヨーロッパの貴族が広場を見渡したり演説を行ったりするための、屋根のない開放的な展望台がルーツとなっています。
日常会話では混同されがちですが、住宅の機能面で見ると、雨天時でも窓を開けたり洗濯物を干したりしやすいのがベランダ、上部がオープンで日当たりと開放感に特化しているのがバルコニーという明確な棲み分けが成り立ちます。