「壱岐の最大の魅力は何か」と現地住民やリピーターに問えば、十中八九「食の豊かさ」という答えが返ってきます。玄界灘の激流にもまれる海の幸と、平坦で肥沃な大地がもたらす山の幸の両方を自給自足できる環境は、離島としては極めて稀有な生態系を形成しています。
その筆頭格が、年間出荷数が極めて限られているため全国市場に滅多に出回らない壱岐牛おすすめグルメです。潮風を浴びてミネラルを豊富に含んだ牧草を食べて育つ黒毛和牛は、融点の低い上質な脂と赤身の深いコクが最大の特徴。島内の精肉店直営レストラン「味処うめしま」などで提供されるサーロインステーキや特選ロースは、一口噛むだけで澄んだ甘みが口いっぱいに広がり、胃もたれとは無縁の芳醇さを堪能できます。
初夏から秋にかけて島を訪れるなら、絶対に外せないのが壱岐生ウニ丼人気店の探訪です。春先のムラサキウニから始まり、夏場には「ウニの王様」と称される濃厚無比なアカウニへと旬が移り変わります。保存料(ミョウバン)を一切使わず、海から獲れたてを殻から剥いたばかりのウニは、雑味が一切なく、クリームのように舌の上でとろけます。郷ノ浦や芦辺港周辺の老舗割烹「お食事処みうらや」や勝本町の食事処で供される丼は、ご飯が見えなくなるほど黄金色の身が敷き詰められ、一口ごとに玄界灘の磯の香りが弾けます。
これらの料理の引き立て役として、世界的に高い評価を獲得しているのが壱岐の島麦焼酎評判の高さです。16世紀頃から始まったとされる麦焼酎造りは、米麹1に対して大麦2の比率で仕込む伝統製法を守り続けており、WTO(世界貿易機関)から「地理的表示(GI)」の産地指定を受けています。島内にある7つの蔵元がそれぞれ個性豊かな銘柄を醸造しており、豊かな麦の香りと米麹由来の上品な甘みは、肉料理にも魚介料理にも見事に寄り添います。